放置感想2台目『PSYCHO-PASS |3 FIRST INSPECTOR』

■毎週1時間枠のTVシリーズから、僅か3ヶ月後のリリースとなった本作。劇場公開作品ではあるがAmazonプライム・ビデオで同時期に見れる『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』と同様のスペシャルアニメ(新規映像ではあるが既存設定の割合が目につくもの。『ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲』もプライム本配信でしたね)なのだが…

□『PSYCHO-PASS |3』TVシリーズは放送中に切迫する制作状況が塩谷直義監督のTwitterで窺い知ることができ、実際の作品が雲行きが怪しい話運びと画の持たなさが端に出たTV最終回8話から、続話『FIRST INSPECTOR』が3ヶ月後に劇場公開&プライム配信とくれば、待ち遠しい、ではなく不安しかないのが正直なところだった。最悪70〜80分尺でパス3をとりあえず終わらせて、PSYCHO-PASSシリーズ完結篇をまたスパン開けてやってくれればと思っていたが『FIRST INSPECTOR』の続話形式は「とりあえず終わらせる」苦しみに満ちたものだった…

■『FIRST INSPECTOR』配信版は3話分割と『カバネリ 海門決戦』配信版同様なのだが、各話尺がパス3 TVシリーズとほぼ同様の40分強尺であることとが「制作時間がないのに時間稼ぎをしている本編内容」と悪い意味で合致した続話形式になってしまっている。パス3登場人物でヴィランの梓澤が用意した「あらゆる可能性が欠けた」「都合の良い二者択一」しかないタワー攻略戦にTV1時間枠2話分も振り回される制作と視聴者…(3話目の本編を自嘲する虚勢を張れた立て直しが、せめてもの救いではあるが)

□自分にとってのPSYCHO-PASSシリーズの魅力は、フジテレビ(山本P時代のノイタミナ)側とI.G側の無茶振りに応えていく塩谷監督の成熟過程が刑事課一係のキャラクターに反映されてるところで、とくに宜野座伸元は「極限環境の中間管理する立場の作り手(義手だけに)」の気分がストレートに出てるところが気に入っていた。『FIRST INSPECTOR』宜野座の煮え切らないタワー攻略戦の煮え切らない外務な関わり方、3話目墓参りからの「立場を守る奴はろくな奴はいない」「目的を見失うなよ」は、「1時間枠で描けるドラマ」の目的が1時間枠という手段で制作に追われることになる塩谷監督の気分だと思うと、ね…