放置感想4台目 『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL:SAC_2045』

■(『B:TB』感想の続きは今のところ放置…)4月23日にNetflixで配信された神山健治×荒巻伸志監督の『攻殻機動隊 SAC_2045』が案外面白く一気見できたので、気になったところを書いていく。

 

□『ブレードランナー』(劇中の2019年)を基にした作品群をはじめとして「近未来SF」が現実時間においても「過去」になりつつある。「近未来SF」を2019年以降に描くこと観ることは、漠然と「近未来SF」を再生産消費してきた感覚とは変わっていくだろう。

2019年末にYouTubeで配信されているCGアニメ『obsolete』は、異星の拡張身体から生じた新たな戦場を劇中2014年から定点的に描く至近架空戦記だったり、今年の2020年アニメ『id:INVADED』は、劇中の2019年の「近過去」をこれまでの「近未来SF」ガジェットを駆使しながら掘り下げ「根深い思念(過去)」から「未来視」に至る主人公達の切実さを想い描いている。

『SAC_2045』の「近未来」のスタンスは、一見、原作30年越の「攻殻シリーズ」とタイトルの2045年から受ける「(安易な)延命」が過ぎるが、50代後半間近の神山監督がアンリアルエンジン系のカートゥーンCGで描くことで「延命する近未来」の実情に重きを置いた味わいとなっている。

 

■「延命する近未来」における投下される戦況を「レイド」と例えるのは、ソシャゲやTwitterに慣れ親しんだ身としては「ヘイトクライム」以上にしっくりくる「ゲーム感覚」である。『SAC_2045』前半米国編、『APPLE SEED』然した素子たちがSAC9課である感覚の拠り所であり、トグサもその感覚をもとにした視点でSAC9課再編の道程を構築していく。前作SSSで予感された荒巻課長の後任も時勢的にデフォルトされたトグサくんが、米国編の手腕で「トグサ視点あってのSAC」となるのはやはり良いものである。

 

□『SAC_2045』後半は実際神山版『NINJA SLAYER』。俺は詳しいんだ…⁈